サーバー指向かWS指向か

 環境構築の主体をサーバーに置くか、ノートPCに置くか。

 サーバー管理のような仕事をしていたのだが、既に5年ほど離れており、今となっては過去の知識。Windowsに関しても、ずっとWindows7を使っていたので、10については何もしらない。8.1を搭載したタブレット型のPCも購入はしたが、早々に見切りをつけていた。

 方針としては、いつか完成するシステムではなく、導入した時から実用的に使えるシステムを目指す。そうなってくると、サーバーは後回しで、とりあえずWindowsのノートPCを買ってきて、データ移行をさっさと済まし、現在の環境を維持する事が優先となる。

 とはいえ、現在の環境と偉そうにいっても、やっつけとなし崩しででっち上げたとても環境とはいえない代物。この機会にもう少しマトモなものにしたい。

 現在の構成はノートPCと外付けのデータバックアップ用のHDDが一台。バックアップの時だけ、HDDをUSBで繋いでという原始的な運用を行っている。

 NASの導入は必須だ。複数のデバイスでデータを共有できるし、ノートPCやタブレットから無線LANで使える手軽さもある。またPCの買い替えの度にデータ移行を行う必要性もなくなる。4TBクラスのHDDも手軽に入手できるようになったので、RAIDを組めば、常識的な予算で将来に向けて持続可能なストレージを実現できる。

 実はびっくりする程低速なNASは所有していた。あまりに低速過ぎて引越しの時にどこかつっこんでそのままになっている。HDDの容量も少なくインタフェースも特殊。あれを引っ張り出してきても意味はない。引越し後はNasneを買った。こちらはそこそこの速度は出るし、汎用的な使い方はできないが、ちょっとデータを預けたりするには十分使える。ただ、昨年後半に内蔵HDDがクラッシュし、外付けだけで運用している状態で堅牢性はない。いつかはきちんとしたNASを導入しようと思いながら現在に至っている。

 サーバーの必要性は、NASとは別でこちらはアプリケーション環境の永続性の維持を期待している。PCの買い替えタイミングが5年としても、Windowsのメジャーアップデートは5年未満で、その度ごとにOSに関わるTipsを覚え直したり、せっかく使用法を覚えたアプリが使えなくなってしまう事は避けたい。オープンソース系のOSもアップデートはあるが、プロプリエタリなOSほど身勝手でドラスティックな変更はない。

 サーバーを立てるならFreeBSDが望ましいと思っている。Windowsのサーバーでは意味がない。Linuxは種類が多過ぎてわけがわからないし、情報が錯綜しているイメージがある。FreeBSDは情報が集約されているし、アップデート時の混乱も少ないイメージがある。使えるアプリに制限があったりはするが、おおどころのものについては問題ないだろう。保守的で周回遅れのところに却って安心感がある。

 一時期、自宅でデスクトップ機にFreeBSDを導入して使っていた時期があったが、最終的にウェブブラウジングに限界が来て、Windows XP機を買った。当時は自宅よりも勤め先でPCを使う気が圧倒的に多く、Webへの依存も今ほどではなかった。

 FreeBSDで使う当てのあるアプリは、Emacs, Firefox, Gimp, Rawtherapy, OpenOffice, PostgreSQL, 後は動画と音楽のマルチメディア関係。便利さよりも整合性を重視したい。ハードウェアをFreeBSDがサポートしれば、サーバーの立ち上げもアプリのインストールもそれほど時間はかからないと思う。日本語化はパッケージがなければちょっと手間取りそう。Windowsとの連携を前提にしているので、FreeBSDに何でもかんでもやらせるわけではない。JOBの切り分けが悩ましい。

 今回は今までとは異なり、実験的なシステムではなくて、実用を目指す。Emacsだけなら、仮名漢字変換で一呼吸置くのを我慢すれば、かなり貧弱なハードウェアでも実用にはなる。PostgreSQLも個人的な利用ならたいした負荷はかからない。静止画とマルチメディア関連のコーディングや再生はWindows側で処理すればよいだろう。サーバーはメタデータの管理を担わせば良い。そうなると、サーバー用のハードウェアは低消費電力の小型サーバーで良い。CPUが最新である必要はない。4TB×2のRAID1でNAS兼用のサーバーという事でよい。実用性を確認してから、アプリケーションサーバー用のプラットフォームを整備すればよい。

  とりあえずは、サーバー用のハードウェアとしては、NUCを使うのが無難か。仮想OSを考える必要もないだろう。あまり費用はかけたくないので、HDD抜きで予算3万円くらいを目処にする。WSとして使うノートPCは今使っているE420のパフォーマンスと同程度以上のものとする。