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個人的な理由

 コンピュータに興味を持ったのは1979年の冬だった。

 きっかけは講談社ブルーバックスから出ていた安田寿明著の「マイ・コンピュータ入門」だった。この本を読んでから、雑誌「トランジスタ技術」誌と「インタフェース」誌を定期購読するようになった。

 当時はCP/Mが発売されたばかり。IBMがPCを発売する前で、パソコンというコトバはまだなく、マイクロコンピュータを略してマイコンと呼んでいた。そして実機を持たず本や雑誌で興味を満たしていた者をナイコン族と揶揄していた。

 私もそのナイコン族の一員で、自作マイコンの組み立てのハウツー本を買い部品を集めたりしていたが、既に社会人で慣れない営業職に四苦八苦していた為、結局挫折し、1982年にエプソンのHC-20を購入した。この機械でBASICのプログラミングを覚えた。

 最初、ハードウェアへの興味が大きかったが、徐々にソフトウェア、特にオペレーションシステムへの興味が大きくなっていった。PC-DOS(MS-DOS)が発表されたが、そんなどこの馬の骨か判らないものよりも、より完成度の高いUNIXへの憧れが大きかった。

 当時は本物のUNIXが動くようなハードウェアは買えなかった。そこで、富士通のFM16βⅡを買い、更にForksという会社から発売されたMC68000搭載のアドインボードを買い込み、UNIXライクなOS-9/68000を走らせたりしていた。

 ハードにせよ、OSにせよ、その構造の美しさに憧れていたのだと思う。しばらくは、コンピュータを使う事よりも、使いこなす事を趣味とする期間が暫く続いた。

 コンピュータが爆発的に大衆化する前夜。この頃の印象が、コンピュータ経験の原風景になっている。